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ガザの美容室 / Dégradé

パレスチナ自治区ガザの美容室の中にいる女性達と、美容室の外にいる男性達とライオン1匹、劇中の台詞の通り「イスラエルはおまけ」で、これは"パレスチナ"の物語。
"パレスチナ・イスラエル問題"の物語ではない。(勿論、歴史・時事を知っていたほうが、早口なお喋りに付いていけそう)
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ついでに、キャッチコピーを書いた方に異論を唱えるみたいな格好になってしまって申し訳ないのですが、対立と破壊を繰り返すオトコ達にオンナ達が抗う物語であるとは私には思えなかった。世界中のメディアが伝える"イスラエルとの戦闘状態が日常"なガザ地区にも、日本人の価値観とはかなり違い過ぎる"普通の日常"があるということを「男より優秀な女」が垣間見せてくれている。男女の区別とか無く。

彼女達の言動には何度かイライラとさせられかけるんだけれど、それって日本とは行動規範というか"常識"がぜんぜん違うからか。この「違う」という印象が、世界中で"いま"起きているさまざまな対立と破壊とが生み出された要因のひとつなのかな。
ただ、これ以上は解ったような物言いをできない。降参。


by snowy_goodthings | 2018-07-16 22:00 | 鑑賞記

ペルシャ猫を誰も知らない / No One Knows About Persian Cats

またしても本棚整理。
滅多に映画パッケージを買うことはないようにしていたつもりなのに、いくつも溜まっていた。しかも、買って安心しちゃって、観ていないという為体。


今日、適当にひっぱり出して観たのは、これ。
様々な"表現の自由"が厳しく規制されたイランという国で、音楽活動に情熱を傾ける表現者達のお話。
17日間のゲリラ撮影によって作られた映画は、ドキュメンタリーのようでもあるし、創意工夫を凝らしたミュージックビデオにも見える。
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2009年のイランにおけるアンダーグラウンド音楽シーンを通して、首都テヘランの日常生活を垣間見た気分。
この映画で見えた事物がイランの全部ではないことは理解しつつ…
"自由"や"幸せ"を謳歌できない境遇に抗う姿と裏腹に、自分達が生まれた国・土地とそこに住まう人々への逃れようもない愛情みたいな温かさがあるように思う。それって、登場する誰もが演奏許可が下りない絶体絶命に近い状況にいながら、楽器を持ち続けて歌を作り続けるしたたかさを持ち合わせているからかな。暮らし向きは決して貧しくなさそう。

だから、結末には驚いた。映画撮影終了後に監督とふたりの主役はイランを離れたという事実とも重なるんだけれど…そうしなければならない作品にはみえない。
何故?そういう国だから?そういう宗教だから?そういう体制だから?そういう人種だから?そういう地政だから?

…という具合に、この映画に対する"理解しづらさ"が、中東地域に対して感じる"難しさ"に繋がっていく。
でもさ、
難しいんだけれど、知らないままでいるよりも、ちょっとでも知ったほうが良い。
そして、自分が知っている事は全部ではないのだから、それでなにもかも解った気になったらダメなんだけれど、それを自分はできるのか。
自分と異なる存在に対峙したとき、同意/非同意・好き/嫌いetc.いずれであっても、相手が存在することについて「寛容」でいられるのか?どうだろう?


*


あ、ネタバレしない範囲で。「Rickenbacker さえあれば…」って台詞がけっこう響きました。その欲望には力強く共感する。
(^o^) オレだったら、Model 4003 Jetglo が欲しい。
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ちょーう端麗だもん。←変態、もはや弾けなくなって久しい。




by snowy_goodthings | 2018-05-20 01:00 | 鑑賞記

私はあなたのニグロではない / I Am Not Your Negro

やっと日本公開。
堪え性がなく待ちきれずに書籍版を読んではいたけれど、映画として作られた作品はやっぱり映画として観なきゃ駄目だ。
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スクリーンで動いて喋るジェイムズ・ボールドウィンの言葉は、一音の無駄なく自身が考えることを漏れなく伝えるべく端正に整っている。かつ、熱く激しい。詩人でもあるのに、美しい理想を語らない。公民権運動家としての顔も持つのに、対峙する人種を責めるのではなく"自分自身に問え"と諭す。

ここで描かれているのは、アメリカさんの姿。
このドキュメンタリーについて、自分には価値の拡張や解釈の拡大はできない。だって、あの国は"いま"歴史の真っ只中。過去を振り返っているようで、現在について語っている。

たいへん珍しく映画パンフレットを購入したんだけれど、本を持っているんだったらぴったり1年ぶりに拾い読みし直すほうが良い鑑賞態度であるのかな。自分の頭で考えよう。まったく他人事ではない国の事なのだから。
…というわけで、2018年5月の積ん読強化ラインナップに再び追加。
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相変わらず、何も目指さない本の選び方をしている。まぁ、いいや。
それでも、1年前とはちょっとは違っている自分を自覚している。良くなっているのか、悪くなっているのかは知らない。





*


映画とは全く関係は無いのだが、映画鑑賞後に白人でも黒人でもない日本人の自分はマンガルール料理を頂くのでありました。
だって、此処はアジアの東端。

カルナータカ州の港湾都市(いっぽう州都ベンガルールは高原の上)という土地柄か魚料理に特徴があるそうだけれど、それが無くてもすごいお国柄を感じる風味がむんむん。単純明快、美味かった。トゥル語で「ありがとう」「ごちそうさま」ってなんと言えば良いんだろう。
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東京には、インド・ネパールの州・都市を看板に掲げたカレーだけではない料理店が沢山ある。
シンガポールみたいにリトルインディアを形成するんじゃなくって、トーキョーのあちこち商店街の中に出現している。この現象を面白いと自分は思う。


by snowy_goodthings | 2018-05-18 11:40 | 鑑賞記

ブエノスアイレス / 春光乍洩 Happy Together

今日も本棚整理の続き、自宅で映画鑑賞。
1997年に初めて劇場公開された時には見損ねていて、いつか映画館で観るんだと我慢していたが機会を逸しそうだからとBlu-rayを買って放ったらかしていたもの。
今年2月後半にBunkamura ル・シネマで上映されたけれど、上映期間はスコットランド・アイルランド旅行と休日出勤と富良野出張とインフルエンザB型の自宅待機とべったり重なっていた。とことん縁が無いんだと諦めがついたので、やっと観た。初めて観た。
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(C)Block 2 Pictures Inc.


香港から世界の果てまで行って、男達がくっついたり離れたりする。情念の面倒くさい有り様。
最後、南米の広い風景写真がぱたぱたっと小さく折り畳まれて仕舞い込まれるような展開があっけない。決して、綺麗な終わり方ではない。画は美しく、情け容赦ない。


お約束な反応だけれど、アルゼンチンに行きたくなった。「BAR SUR」 も「中央飯店」も、現在なお営業中っぽい。
地球の反対側に行きたいと思うのって、これが2〜3回目くらい。良い"きっかけ"がまた巡ってきたら、次こそは行けるかな。どうだか。


by snowy_goodthings | 2018-05-13 15:00 | 鑑賞記

ウィズネイルと僕 / Withnail And I

本棚を整理したいからBlu-rayやDVDで持っていた映画は売っちゃおうかなと思って観納めしようとしたら、惜しくなったというオチ。
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(C)Handmade Films

今夜これを観た動機はなんでもない、たまたま。
会話のウィットに付いていけないから、おそらく自分はこの作品の面白さを半分も楽しめていないと思うんだけれど、最後のほうに出てくる台詞:
(どう書いてもネタバレっぽくなるから、念のため白抜きしておく)
“he greatest decade in the history of mankind is nearly over. They're selling hippy wigs in Woolworths. It is 91 days to the end of the decade and, as Presuming Ed here has so consistently pointed out, we have failed to paint it black.”

1980年代終わり近くに撮られた1960年代終わりの物語は、2010年代終わり近くに観ても"いま"を語られているように聞こえた。
人生の転機とまで大袈裟でなくても自分の中で起きた変化と時代の変化とは重なる、とか。とっくの昔に終わった青春期を懐かしむのは楽しいけれど、あの頃は決して戻ってこない、とか。心当たりがありありと。


by snowy_goodthings | 2018-05-12 22:50 | 鑑賞記

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー / Avengers: Infinity War

ヒーロー映画に期待しがちな、「友情・努力・勝利」の爽やかに淀みない大団円を約束してくれない Avengers 御一行様は素敵だ。
出てくる全員がエゴ剥き出しな正義感を発揮する姿が眩しい。
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(C)Marvel Studios


虚構世界に「富の再配分」を熱く語られたような気がする。なんか取り違えているかもしれないけれど、そういう印象。
お話は途中から痛々しいばっかりで(ちょこちょこ笑いつつも)全然楽しくなかったんだけれど、そうなって然るべきと腑に落ちるから、エンドロールの最後までついていけた。

そんでもって、"また観たい"とか思ってしまった。ざわざわっとする感触がたまらん。

でもIMAX 3Dは2時間を超えると目がツラい。自分はもう若くない。
(^_^;


by snowy_goodthings | 2018-05-04 23:55 | 鑑賞記

ラッキー / LUCKY

今朝の上映を逃したら映画館では観られないと思って、珍しく休日に早起きして行った。行った甲斐は大いにありました。
今日はきっと良い日になる。たぶん。
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(C)FILM TROOPE, LLC

途中から主演する Harry Dean Stanton そのヒトの遺言のように思えてきた。他の役者達も演じているのか素のままなのか、虚と実との境界がもわもわと曖昧。こういう映画もあるんだな。
中高年だらけが登場する(←やや誇張)、若さを感じない画なのに、瑞々しい。
何も起こらない日常が続くのに、生命の真理を垣間見てしまった。静かな映画なのに、圧倒的な迫力。

by snowy_goodthings | 2018-05-04 10:40 | 鑑賞記

ダンガル きっと、つよくなる / दंगल (Wrestling Competition)

この作品の日本公開を待ちきれず、2月にグラスゴー行きのエミレーツ機内で観た。やっと日本公開されたので、大きなスクリーンで観られた。嬉しい。
(ダサい邦題とポスターはみなかったフリをして、許す)
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(C)Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited


インドにおける
父権主義、田舎、家族、"女性らしさ"、男女格差、食習慣、行政、スポーツ振興、女性アスリート育成、選手強化、愛国、国威、権威、規則、尊厳、ほかにも…えーっと、あれやこれや。インドのいろいろが、2時間49分間にぎゅうぎゅうと詰め込まれているように見える。
それでしんどくならないのは、かつ、映画の"娯楽"としての役割をきっちりこなしているからか。

私はインド人でもレスリング選手でもないが、観ているうちに、パパと一緒にぎゅうーっと握りこぶし作って振り上げちまう。
o(^▽^)o


振り返って、現実。
世界中では、良い事・悪い事どちらもうんざりするほどの現象があふれかえって混沌としているが、試合場は結界。
国・民族・宗教・血縁・政治・経済・etc.の壁を越えて、国・民族・宗教・血縁・政治・経済・etc.を背負いながらも結局は己の身ひとつを以って自分だけを頼りに闘う。
その事実について、
国・民族・宗教・血縁・政治・経済・etc.の大儀とやらの下で、過剰に劇的な語りや無暗な難癖をつけられてしまうのを、私はあんまり見たくない。感動することもあるんだけれど、次の瞬間には鬱陶しい感触もある。
まぁ、現実はたいへん厳しいのですが。

かなり様相が異なる世界に属して試合している自分も、たまにちょっとした壁・語り・難癖みたいなものに遭遇する。この事は好かない。なんだかな。


by snowy_goodthings | 2018-04-24 22:55 | 鑑賞記

シェイプ・オブ・ウォーター / THE SHAPE OF WATER

日本の映画興行業界では"若く美しい男女のロマンス"作品じゃないと多くの観客に受けないっぽくて、気づいたら家から歩いて行ける映画館での上映は終わっていた。酷い、早すぎる。
だもんで、深夜にばびゅっとべーゔぇで第一京浜を北上して川崎で観た。
掛けてくれたCINECITTA'は素敵だ。古びてきたけれど、客席からスクリーンが近くて視覚いっぱいに映画を観られる。此処にはCLUB CITTA'もあるしTower Recordsもあるし。

良い印象も悪い印象も沢山あったんだけれど、全部を抽象化するとこの一言かな。
綺麗だった。
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(C)Twentieth Century Fox

by snowy_goodthings | 2018-04-15 02:10 | 鑑賞記

リメンバー・ミー / COCO

安心のPixar映画。この邦題はぎりぎりOKなんだけれど、原題のクライマックスで「あぁっ」と思わせる仕掛けが素敵だ。


昨年11月のLA遠足の途中、街角でビルボードをみかけて「観たいなぁ」と思ったんだ。
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この頃は、ハリウッドから広がった"騒動"ことセクシュアル・ハラスメント弾劾がぐらぐらと沸騰していた最中。
Pixarさんも例外ではなくって、Johen Lasseter が"不適切行為"を理由に休職すると発表されたのは、日本帰国後ちょっとしてから。その発表はこの作品の全米公開直前だったらしい。
それが何か意図・意味あるのか、象徴的に事例化したハーヴェイ・ワインシュタインやケヴィン・スペイシーと何がどう同じ・違うか、罪の深い・浅いはよく解らない。

"作品とその作り手とは別" とか "芸術家は聖人ではない" は当事者ではない人間にとっては真っ当な事実であるし、"虐げられた者の憎悪" とか "辱められた者の悲嘆" は当事者である人間にとっては決して消えない事実なんだと思う。そのくらいの想像は傍観者の分際である自分にだってできる。
だから何をする?
その現場に居合わせて、見て見ないふりをしたんだったら罪だ。当事者の一員として。
そうでないんだったら、できる事はあんまり無い。
通りすがりの立場でトラブルの現場に遭遇したとき、"弱い"がわをかばうのは自分もできそうな気がする。
でも、"弱い"がわに立って"悪い"ほうに向かって石を投げることを自分はできる気がしない。それは、善悪の判断とは別の行為だから。


閑話休題。


El Santo ぉおおおおーっ! ヘ(^o^)/
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(C)Disney/Pixar

by snowy_goodthings | 2018-03-28 23:10 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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