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Padmavaat

インド本国では2017年12月1日に公開予定だったものが上映反対運動・検閲により
2018年1月25日に延期となった新作を、日本でほぼ同時の今日観ることができてしまうという幸運。
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インド人のご家族連れ達に囲まれながら、海老名なのにインドにいるっぽい錯覚を覚えながら鑑賞。

英語字幕がえらいざっくりしていて、
台詞や歌の細かい機微はさっぱり解らなかったけれど、飽きる暇なく約3時間があっという間に過ぎていった。
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映画の下敷となっているのは、16世紀のイスラム神秘主義スーフィーの詩人
Malik Muhammad Jayasi による叙事詩「Padmavat」。
この詩人が生きた時代よりもさらに2世紀前にあった、
14世紀初頭に北インドを支配していた"第二のアレクサンダー大王"こと
イスラム教ハルジー朝のスルタン、アラー・ウッディーン・ハルジーによる
ヒンドゥー教メーワール王国(現在のラジャスターン州)首都チットールガル城塞の包囲戦について
物語ったもの。ただし、タイトルロールの王妃 パドミニは史料には存在しないことから、
後世の詩人が創作した"伝説"である…というのが歴史家達の定説らしい。
  現在、チットール城塞は丘隆城塞群のひとつとして
  世界遺産に登録されているから
  旅先として興味を持ってちょっと調べれば、
  あっさりこの伝承を知ることができる。(行ってみたい)

創作された"悲劇の王妃"の映画での描写を巡って、あんな物騒な争乱が起きたの?

"多様性"とは、寛容の賜物ではなく不寛容の鬩ぎ合いの結果なのかしら。
そうやってざっくりとした結論に飛びついて判断停止するのは間違っている気がするのだけれど、
この映画を巡る主義主張の応酬は、複雑。
構造を把握しようとしても、あっという間にこんがらかってしまう。だから、諦めた。
それぞれの信念に真摯であるが故に起きた事態であったと、良いほうに受け取る。
あぁ、結局ざっくりとした捉え方しかできなかった。

で、映画。
冒頭に "この映画は Sati を賛美も支持もしない" という趣旨の宣誓が呈示されたけれど、
その言葉に強い思想・意思は感じられず。
ただ、現在の価値観とは随分と違う(いや、現在も?)、古い叙事詩をそのまま描写した…
という無邪気さばっかりが伝わってきた。それが自分の印象。

ただただ、絢爛豪華で美しい。
誇り高さと欲深さとの闘いは、痛ましい葛藤など感じさせずあっけなく終わるものだから、
「オデッサの階段」のようなクライマックスを"綺麗"とか勘違いしてしまった。ちょっと、危うい。
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(C)Bhansali Production

事前にがっつりと重たい上映反対運動・検閲のニュースを見聞きしちゃったせいかな。
映画そのものについて、観終わった直後の印象はあっさりとしている。

強いて穿った見方をするならば、興味深かったのは
敵味方いずれの女性達も、たいへん魅力的に描写されていること。
そして、男の戦い方と女の争い方は違うということ。
男らしい"勝利"や"強さ"への欲望を、女が情け容赦なく焼き尽くして振り払う。
  この展開は昨年末に観た「バーフバリ」と似ている。焼く対象は異なるが。
これらを現代のなにかに符合させて捉えると、印象はぐっと重くなる…かしら。どうだか。


*


以下、
この映画について見聞きしたニュース。折角なので、いくつかメモ。


BBC.com
22 January 2018
Padmavat: Violence after India top court lifts ban on film
Protesters in India's Gujarat have blocked roads and caused local bus services to be suspended, after the Supreme Court cleared the release of controversial Bollywood film Padmavat.


BBC.com
24 November 2017
A body has been found hanging outside a fort in the northern state of Rajasthan along with a warning note that mentions controversial Indian film Padmavati.

Hindustan Times
24 January 2018
Padmaavat and the long trail of controversies: A timeline of obstacles the film has faced
Padmaavat, which was earlier named Padmavati, has been a bone of contention between Rajput groups and the filmmakers. Director Sanjay Leela Bhansali’s film ran into trouble right from the beginning when he started shooting in Jaipur.


BBC.com
25 January 2018
Padmaavat: Why a Bollywood epic has sparked fierce protests
The controversial Bollywood epic, Padmaavat, has prompted months of protests across India.


Hindustan Times
26 January 2018
Padmaavat movie review: Sanjay Leela Bhansali’s film does what Karni Sena wanted to do
Padmaavat movie review: Sanjay Leela Bhansali’s film is projected as a clash of ideas about love and war, and how they hold different meanings for different people. The film has Deepika Padukone, Ranveer Singh and Shahid Kapoor in lead roles.


Hindustan Times
29 January 2018
Deepika Padukone on the women power in Padmaavat: I find her journey so relevant today
In a long letter to filmmaker Sanjay Leela Bhansali, Swara Bhaskar accused Padmaavat of making her feel “reduced to a vagina”. Deepika Padukone has now claimed the film “looks at the power of women”.


Hindustan Times
06 February 2018
The movie stars Deepika Padukone in the lead role of Rani Padmini. Shahid Kapoor essays the role of Maharawal Ratan Singh and Ranveer Singh portrays Alauddin Khilji, the 13th Century ruler of the Khilji Dynasty.

etc...




by snowy_goodthings | 2018-01-27 18:05 | 鑑賞記

雪が積もった

君たち、さすがに寒かろう。
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by snowy_goodthings | 2018-01-23 08:00 | 庭風景

杖道六段・七段審査会および杖道地区講習会でした

毎年1月、大学入試センター試験と同時期に開催される、全日本剣道連盟主催の行事。
それは杖道六段・七段審査会および杖道地区講習会(於:江戸川区スポーツセンター)。


■1月12日(金)9時30分〜 杖道六段・七段審査会

今回は、お付き合いが長い先輩や稽古仲間さんが受審されるので、休暇を取って審査会から見学へ。

すごかった、受審者の数が。
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六段審査の開始が10時、途中に数回の休憩・昼休みを挟んで、七段審査の終了は16時。長丁場でした。
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六段の結果は、七段審査前:30分間の昼休み中に発表。
七段の結果は、最終組の演武終了後あまり間を置かずに発表。
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六段 
 申込者 60名(33歳〜80歳)
 受審者 56名
 合格者 21名(合格率37.5%)

七段
 申込者 42名(46歳〜80歳)
 受審者 42名
 合格者 2名(合格率4.2%)


※公式発表は全日本剣道連盟のホームページ・Facebook・Twitterにアップされています。


自分は2年後に七段審査を控えているので、先輩達の演武・審査結果いずれも「緊張感」を伴って捉えてしまう。
その印象について、此処でぐずぐず書き残すことではない。
しかしながら、ひとつだけ。
年齢="高齢"であることは、「できない」「やらない」「終わり」の言い訳にはならない。そう思う瞬間が今日もまたあったのです。
むしろ、齢を重ねたが故の度胸と説得力か。見事としか言いようがない。そんな事が審査の終盤にあったのです。

だから、まだ自分は"若手"なのか。いや、年齢が上下の問題じゃないかな。
(^_^;
昇段のための稽古というのは語弊があるけれど、審査を良い節目と目指して、
ちょっとした完成度を目指してひたすら錬るのみ。


■1月13日(土)10時〜1月14日(日)15時 杖道地区講習会
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寒波襲来の週末ですが、参加人数は申込段階で国内外から440名超。

初日は、太刀の構えの解説、基本動作(単独・相対)、全剣連杖道12本の解説。そして、段位別に班に分かれて講習。
なんと、「八段」で1班できていた。
地階の剣道場・柔道場で初段以下と八段、2階のアリーナでは二〜三段・四段・五段・六段・七段。
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六段の班は、昨日の合格者さん達も含めて100名が受講。これは、講習会史上最多?
初日は、単独動作と全剣連杖道「着杖」〜「雷打」。
講師先生の丁寧な解説を聴き、号令に従って1本ずつ動いていく。
要領・留意点を確認する事、そして頭で理解した事を今の自分はどれだけ達成・再現できているかを確認する事の繰り返し。


2日目は、最初に太刀の操法の解説と稽古。その後は再び段位別に班に分かれて、午前中いっぱい講習。
六段の班は「正眼」〜「乱合」。そのあと、質疑応答。

午後は、五段以上は審判講習会。
  すみません。所用があり、途中で帰りました。
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自分としては、
ちょうど1年前の地区講習会の頃からもわもわっと「型」について「稽古」について考えた事が少し前進したような感触を得られました。
昨年はそうやって考えるようになって実際に試してみることが増えて、
やったなりの実感が伴う経験をいくつか得ることができたんだ。
今年はこれからどう展開していくのかわからないけれど、継続することに迷いはとっくに無いから。
やるのみです。
毎度この結論に至るわけですが、自分なんざ "やってなんぼ" ですから。やらないと。


*


審査会・講習会で自分が撮った写真は、 Flickr(←Click!)にあります。
審査会も講習会も、その目的を鑑み会場の雰囲気がわかる程度のスナップのみを公開しています。


なお、
このように大会・講習会など行事に参加した人間=私、石田が撮影・公開する写真について、
以前にも書いたことをほぼ一語一句変えずに再掲しますが…

他人様(よそさま)が撮った写真やビデオで「見取り稽古」しようなんて安易な考えはおやめください。
ましてや、被写体さんの師匠・先輩でもない立場で、斜め上から目線で批評家"先生"ぶるのはもってのほか。
勿論、それら行為の是非は個人の勝手ではありますが。
  そういう事をしたがる方ってさ…(以下、自粛)

写真やビデオ…特にビデオ動画は、時として真実を捉えるけれど、けっこう頻繁に嘘をつく。
写真も、芸術的なコラージュという表現がある一方で事実歪曲フォトモンタージュや過剰なレタッチがあったりする。
被写体ご本人にとっては、己の姿を思い知る物的証拠になるでしょう。
しかし、第三者にとっては、せいぜい記録か芸術表現か記念か報道か。

稽古だったら、ご自分の目で体で、生身で見て感じることこそ、本物。

…と述べつつ、
自分がスチール写真を撮ることに"こだわる"のは、自分自身がみた「決定的な真実の瞬間」をなんとか遺したいから。
あるがまま・嘘偽りのない写真を撮りたいと、じたばたしている。
これは、私自身の趣味に関するお題である。
そして、かつて矢野先生から「撮れ」と言われた通りにしているだけのことである。


*


講習会とは全然関係無いのですが、
稽古仲間さん達と葛西駅近くの印度家庭料理レカで、インド料理の会。1年ぶりのレカさん!

これは、Satvik Ahar。アーユルヴェーダ・ヨガに基づくインドの精進料理だって。
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刺激物・発酵食品・菌(缶詰とかタマネギとかイーストとかキノコとか)を避けた菜食お献立を
ノンアルコールビールと一緒に食べたのは、アーユルヴェーダ食事療法の原理原則に照らすと大間違いだったと思う。

ごめんなさい。でも、たいへん美味しかったです。



by snowy_goodthings | 2018-01-14 15:00 | 稽古記

稽古始めでした

新春から、新しく覚える事が沢山。


*


ところで、昨年の終わりには居合刀の鯉口の緩み(刀を抜き差ししていれば鯉口は緩むものらしい)を見よう見まねで修理したら、存外綺麗にできました。
  インターネットって便利だね。検索したら、
  得物の手入れ・修理の知恵がぽろぽろ出てきた。
ほらほら、何処を補修したかってわからないくらい見た目が自然にできているでしょ?
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材料は「おとめ納豆」の松経木。
我が日常生活で遭遇する機会がある、最も薄い(1mm未満)木板がこれだった。
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豆が触れていない部分を1×30mmくらいに裁断して、
続飯(ご飯を潰して練った糊:どうせ模擬刀だし木工ボンドでも充分だろうが、先人の知恵に従って天然素材で揃えた)で
鞘の内側:刃・峰の位置に何枚か重ねて貼り付け、
完全に乾いたら紙やすりで削って刀がぴったり納まるように調整する。手順はこれだけ。簡単!


鞘をごりごり削らないで綺麗に抜けるように、練習します…と誓ってみたけれど、道のりは遠い気がする。
頑張るぞー。

(^o^)


by snowy_goodthings | 2018-01-06 17:00 | 稽古記

石内 都 肌理と写真 / 横浜美術館コレクション展

仕事始めの前に寄り道。横浜美術館
企画展「石内 都 肌理と写真」と「横浜美術館コレクション展:全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真」とをはしご。
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石内都さんの作品は、天井からの灯りがたいへん明るい企画室のほかにも、柔らかい灯りのコレクション展の写真展示室にもあった。充実のラインナップ。
金沢八景や横須賀の街並み・建物が、自分が知っている土地なのにまったく知らない景色で写っている。諸行無常。
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大きなプリントの数々に圧倒されました。


例によって、コレクション展がたいへん多い・濃い。
先日東京写真美術館で観た、アジェ達の作品がいくつかあった。
恵比寿と横浜とで、連歌のように写真表現の歴史が語られているという、面白い巡り合わせ。

ちょっと最後は疲れた。全部を丁寧に巡ったら、半日はかかる量だもん。また来られるかな。


by snowy_goodthings | 2018-01-05 12:00 | 鑑賞記

スター・ウォーズ 最後のジェダイ / Star Wars: The Last Jedi

'Star Wars'はEpisode:Ⅳ~Ⅵと'Rogue One: A Star Wars Story'があればお腹いっぱいです。
※Episode Ⅰ~Ⅲは未見だから、全部を観たら印象は違うのかもしれない

世界中から、続編を期待されて結末を拒否される作品を製作することは大変だろうな…とか、自分が想像しても仕方が無いことを考えつつ。
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(C)Lucasfilm Ltd.

そういう前提で観たので、チャンバラごっこが自分の嗜好にまったく合わず途中で嫌になったのだが、
キャストロールの1番&2番のふたりの行く末を見届けたくってなんとか。

でも、観終わった時の心持ちは前作より良かったかな。
たぶんそれって、キャストロールの1番&2番のふたりが遣りおおせたからだと思う。
愛着が無いと、この作品群は難しい。


by snowy_goodthings | 2018-01-04 00:25 | 鑑賞記

お正月

1月1日0時にあわせて初詣に行き、お神酒と甘酒を振舞って頂いて、古いお札やお守りを燃やしてもらった。
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御節料理っぽい朝食兼昼食。
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1年のはじまりだからって願掛けめいた事は面倒くさいんだけれど、禁葷食っぽいモノが多め。すなわち、三厭(肉・鳥・魚)五葷(ネギ・ニンニク・ニラ・ラッキョウ・アサツキの臭い野菜)を除くお献立が多め。
オット用に、紅白蒲鉾とかもあったんだけれどね。しかし、ひよこ豆と豆腐と白味噌とを混ぜまくって焼いた松風もどきから無くなっていくのであった。

で、これだけだったら清く美しい精進食生活の実践なのだけれど、夜には酒を呑んじゃったんだから台無しである。


*


お天気が良かったので、夜になる前に
べーゔぇでばびゅっと東京湾アクアライン〜館山自動車道を駆けて、富浦へ。
走るのが得意な車のためにエンジンを回させることが主たる目的である。目的地設定は大雑把に館山自動車道の終点。
しかし、オープンカーで高速道路を1時間ちょっと走り続けるのは、たいへん寒かった。クルマは快適だったろうが、ヒトは耐寒訓練のような思いをした。

「寒かったけど、びわプレミアムソフトは食べるのね」
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道の駅で出会った、クールビューティにゃんこちゃん。
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でっかいお月様と東京湾の夕焼けとを眺めながら、鶴見つばさ橋と横浜ベイブリッジとを渡って帰った。さすがに帰りは幌を閉じて走ったさ。
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これで、往復100kmちょっと。うーん、まだまだ。


by snowy_goodthings | 2018-01-01 17:00 | 冠婚葬祭年中行事記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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