Glengoyne Distillery

珍しく、今日は観光旅行らしいことをします。

スコットランドといったら、スコッチウィスキー。
20年くらい前、藤が丘辺りで一人暮らししていた時、
2駅お隣の町で悠々リタイヤ生活されているおじさまから「シングルモルトの会」なる
ホームパーティに誘われてお邪魔して、スコットランドあちこちの蒸留酒を
あれこれとご馳走になったのです。挙げ句に、「これは記念に取っておくつもり」という
素敵なフォルムの空きボトルを頂いてしまったのでした。
なんてこった。
さすが、"お洒落"ライフスタイル東急田園都市線沿線生活者。いや、
そういう話じゃなくって…あの時のご厚意の塊みたいなボトルは実家にまだあるかな。
今度行ったら、探してみるか。それとも割れちゃったかしているかな。


おぉっと、閑話休題。


そんな訳で、
ウィスキーの名産地スコットランドに行くのだから、
スカイ島やアイラ島までは足を伸ばせないけれど、グラスゴーから半日日帰りできる距離で
蒸留所があれば行きたかったのです。

ちょうど、
希望に叶う蒸留所がひとつあることに気付いた。
サイトを見ると、事前に見学ツアーの申込みができるみたいだし、
旅行クチコミサイトやブログをいくつか覗くと、日本からの旅行者さんが「良かった」と
感想を残している。これは、なまら行きたい。

ただ、
自分は呑むのは好きだがウィスキーに造詣が深いわけではないし、英語音痴だし、
そもそも土地勘が無いし。
自力で路線バスに乗って行けるのだろうか?でも路線バスには乗りたい。


だもんで、↓こちらのツアー会社さんへガイドをお願いしました。
Geeks Scotland Tour
サイトをみると、"おさんぽ"とか"映画"とか"小説"とか"建築"とか、
もーぅ、
琴線に触れるフレーズがばんばん日本語で飛び込んで来るサイトに痺れた。

日本語の現地ツアー紹介サイトからコンタクトして、その後は直接メールで何度かやり取りして、
自分以外に申込みがなかったので(3月下旬近くの平日だもんね)、
こちらのリクエストを組み入れてプライベートツアーにしてもらいました。
ちょこっとだけ贅沢♪


そして、いざツアー決行の日。
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RICOHFLEX NEWDIA × Kodak PORTRA

ガイドブックによると、3月のグラスゴーは東京の1月くらいの気温で
ほぼ毎日雨が降るという…嘘つき。

頭上には青空が広がっている。
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Queen Street駅の改札前でガイドさんと待ち合わせ。
初対面5分後にはMorrisseyとかJohnny Marrとか
The CharlatansとかStone RosesとかPet Shop Boysとか、
グラスゴーの街並みについて語るフレーズではない面々の名前がわらわらと
お互いの口から飛び出していた。なんと、なんと、なんと!

駅の周りをぐるっとグラスゴーの街並みついてガイドしてもらいながら、
2〜3言めにはマンチェスターの話とか、中学〜高校生の頃に聴いた音楽の話とか、
モリッシー先生の近況とか、ぜんぜんグラスゴーではない土地でもできるであろう話を
当たり前のようにしてしまう。それが気安くできてしまう。なんと、なんと、なんと!

愉しい。 (^▽^)


お喋りしながら坂道を上がって、
Queen Street駅の北側にあるBuchanan Street Bus Stationへ。
目当てのバス停を探してぐるっとターミナルを一周して、35番乗り場からバス乗車。
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窓から見える事物について説明してもらいながら、
洋楽偏愛話をしながら、だいたい1時間足らずの道のり。

レンガや石を積み上げた建物と鉄筋コンクリートのビルとが並ぶ市街地を離れて、
20世紀はじめ大英帝国の植民地だったインドから伝わったという
バンガロー建築の住宅が並ぶ郊外を通り抜ける。
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Bengali, Bengali, Bengali... → Bungalow.
"バンガロー"って、"बंगाल(ベンガル地方)風"建築から来ているのか。

そして、どんどん牧歌的な風景がみえてくる。
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疑う余地なく、スコットランドな風景。
20億年前だったか30億年前だったか、
イングランドやアイルランドよりも先に誕生したといわれる大地。
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地殻変動とかプレート運動とか、
人智の及ばない力で今ここにあって、グレートブリテン島の北半分を形成していて、
人類の誕生後には北から南からいろんな民族が移動してきて、
島の南半分といろんな歴史を残して、
昨年9月には独立国家となるべきか否かの住民投票が行われた土地。
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ところどころ、我が故郷の北海道に似ている。


*


途中ちょっと道路工事渋滞に捕まったりしつつも、到着。

目的地は、Glengoyne Distillery
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RICOHFLEX NEWDIA × Kodak PORTRA

アサヒビールさんが10年・21年モノを輸入展開しているので
日本でも馴染みがある銘柄。
"Glen of the Wild Geese"ってハイランドとローランドの境界線に
あるけれど、仕込み水をハイランド側から引っ張っているから南ハイランドに
分類定義されている蒸留所。
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…ということまでは、
蒸留所のサイトとかウィキペディアで予習してきました。はい。

自分の感覚的には、
ケン・ローチ監督「天使の分け前」で外観がちらっと写る場所、
という認識のほうが収まりが良いです。
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(C)Sixteen Films Ltd. Why Not Productions S.A.. Wild Bunch S.A.. Urania Pictures.
Les Films du Fleuve. France 2 Cinema. British Film Institute MMXII

主人公達が初めてウィスキーについて知る蒸留所の建物外観はここ。
屋内の見学光景はDeanston Distillery、
それとクライマックスの舞台は、北ハイランドのBalblair Distillery。

出発前にBlu-rayを荷造りしながら観ておいていたから、
シークェンスの記憶鮮明。わーい、映画で観たまんまの風景。


レセプションで早速1杯頂きながら、広報ビデオを視聴。
途中、明らかに自分が知っている英語ではない言語を話しているおじさんが
登場してきて、そこには英語の字幕が流れる。おぉ、これがスコットランド英語。
日本のテレビで、津軽弁のインタビューに字幕が付くのと同じ感覚かしら。


その後、蒸留所内を上がったり下がったり見学。
樽の中を覗かせて頂いたり、ウォッシュスチル→ローワインスチルの現場に
居合わせたり、ものすごい間近で生産現場を見せて頂きました。

そんな生々しい見学なので、蒸留所内での撮影は禁止。
うっかりレンズのキャップとかフィルムとかを転がしたら、大変ですもん。

外からの撮影はOK。
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というか、ここは撮影スポットである。
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RICOHFLEX NEWDIA × Kodak PORTRA

スコッチウィスキー=ピートの"スモーキィフレーバー"臭い、にあらず。
グレンゴインはピートを炊かず、麦芽の香りを活かす作り方をされている。
だからか、
オレンジとかバナナとかカシューナッツとかピスタチオとか、果物や木の実っぽい
風味がする気がする。

熟成に用いる樽の木材で色が変わり、寝かせる年ごとに量が減っていく。
あ、これが"Angel's share"、天使の分け前。
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見学の後は、お楽しみテイスティング。
これはオプションでチョコレートと一緒に頂くメニューをお願いしていた。

えらい気取ったバーに行くと、
ウィスキーに合わせていろんなカカオ・ミルク配合のチョコレートが
添えられる事があるけれど、その辺りの組合せに絶妙な相性があることを
今回初めてロジカルに体感。自分は普通のヒトよりちっとは食に関わる五感は
鍛えられているって思っていたけれど、
タンニンとかリグニンとか糖度とかアミノ酸とか、
成分・素材の組合せと味覚の効果について
モデル式を導き出せるということには無頓着だった。
そんな態度を、「大雑把」と呼ぶ。いかんいかんいかんっ!
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教示して頂いたことすべてに対してagreeです。まいった。
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RICOHFLEX NEWDIA × Kodak PORTRA


…とまぁ、
にわかにスコッチウィスキーが大好きになるのでありました。


*


帰りはタクシーで市街地へ。
なんでも、今日の晴天は地元ッ子も「急に春が来た」と驚くほど珍しい事なんだって。
「あんまり暖かいから、半袖シャツを着てきたー」って、それは薄着すぎますよ。

北国のヒトって、どうしてそうなの…
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ひた走って帰るだけの道のりだったけれど、運転手さんのお喋りがなまら面白かった。
あっという間に
Queen Street駅に到着。

所用時間はおよそ5時間のコースでした。なんだか、
ツアーというよりも、地元に在住するあちこちに顔が利くお友達に
案内してもらっているようなノリでした。こんな出会いができた幸運が嬉しい。

愉しかった。(^▽^)


また、ご一緒お願いしたいです。ぜひぜひ。



by snowy_goodthings | 2015-03-19 17:00 | 旅行記


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by Yukiko

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