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フリー・ファイヤー / Free Fire

好き嫌いがえらい分かれそうな作風であるし物語であるのですが、オレは好きなほう。
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(C) Rook Films Freefire Ltd/The BritishFilm Institute/Channel Four TelevisionCorporation

見苦しく愚かで行き当たりばったりに無茶苦茶な登場人物達の混沌っぷりは、すごく生々しい。
欲望の醜さは、突き抜ければ潔さにも見えてくる。
往生際の悪さは、しつこくやり遂げられたら逞しさに感じられてくる。不思議だ。

冒頭の監督からの"ご挨拶"の通り、人間って1〜2発撃たれたくらいでは即死なんてしない。
しかし、死ぬ時は感傷に浸る余裕なんてなく死ぬ。その瞬間はあっけない。そのきっかけはどうしようもない。
だから、恐ろしい。

斜に構えて、現実世界のなにかのメタファーなんじゃないかと勘ぐりたくなっていく。
虚構なのに、異様な現実感。うひゃっ。



by snowy_goodthings | 2017-05-04 20:30 | 鑑賞記

pk

インドには、世界中の良い事・悪い事、美しい物・醜い物、全部ある。
神様も人間も、沢山いる。あんな国だから、こんな映画。
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(C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

「宗教」に対し、タブーとされがちな原理まで素朴な疑問で突っ込んでいって、
闘わずに優しい結末に辿り着く展開が素敵すぎる。
もちろん、途中で描かれるいくつかの出来事の中には情け容赦のない現実があって、
それはありのままの描写で放っておかれちゃうから、平和で幸せばっかりなお話ではない。


*


2014年12月にインドで公開されてから、日本での劇場公開まで2年近く待たされた。
ナン子ちゃん(日活さんのインド映画広報キャラクター、現在の活動状況は知らない)の
緩い仕事ぶりは許しがたくて、自分はこの映画の英語字幕blu-rayを
Amazon.comで買っちゃったのです。
(^"^; インド映画に限らず、洋画興行の不活況は困る。

彼方では、もうすぐアーミル・カーンの次の作品「Dangal」が公開される。
日本では、この作品が公開されるのが先か?東京オリンピックが始まっちゃうのが先か?
どちらかな。
待ちきれないなら、ヒンディ語を勉強して現地で観るか?…いや、間に合わない。


でも、
再びインドに行きたいと思っている今日この頃です。いつ行こうかな。


by snowy_goodthings | 2016-11-03 23:10 | 鑑賞記

マッハ!無限大 / ต้มยำกุ้ง 2 (Tom Yum Goong 2)

1月は観たい映画が沢山あったのに、
地区講習会のあと寝込む日が多くてあれもこれも観損ねた。
なによりも衝撃だったのは、ロバさんの映画があっという間に上映終了していたこと。

あんまりだ。あんまりだ。


…と、
恨み節をぶつぶつこぼしながら、久しぶりにトニー・ジャーさん映画。

「マッハ!弐」と「マッハ!参」は公開されたことに気付かず、これらも観損ねている。
「トム・ヤム・クン!」以来です。
いっとき出家されたとか還俗されたとか、俳優活動ではない話題ばかりをちらちらと
聞いていたけれど、待てば果報あり。


邦題は「マッハ!」だけれど、お話は「トム・ヤム・クン!」の続編。
前作を観たのは2006年春だったか。
ありゃ、観た記憶があるのにログが残っていない。まだ記録を残していない頃だったっぽい。

虚飾ナシ、生身のアクションが"売り"のトニーさん映画ですが、
今回はワイヤー吊りも早回しもCGも使って"なんでもアリ"だそう。それも
嫌味が無い塩梅の加工という印象。
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(C)SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO.,LTD.

端正な構図によく動く視点。
アクション映画なんだけれど「綺麗」という印象が最初に出てくる。

さんざん殴っても蹴っても全然くたばらない長い長い格闘は、
技前が無駄無く鋭すぎて映画らしく仰々しい派手さがあんまり無いので、
観ているうちに疲れてくる。スゴい事をし過ぎなんだよ…ウソっぽさが無さ過ぎ。 (^_^;


もう1人、久しぶりにお姿拝見できて嬉しいジージャー・ヤーニン。台詞はめっさ少なめ、
とにかく蹴る、跳ぶ、殴る。ついでに刺す。
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(C)SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO.,LTD.


でもって、
人間達の粉骨砕身な闘いの締めくくりを象さんがあっさりとさらっていく。
出来過ぎな展開だけれど、大団円。

愉しかった。



by snowy_goodthings | 2015-02-21 23:40 | 鑑賞記

ベイマックス / BIG HERO 6

映画で娯楽を享受したいんだったら、ディズニーさんとこの映画。


マーヴェルさんの映画「アベンジャーズ」が、
ロキではなく、「X-MEN」のマグニートーを敵にしたようなお話。
そうみえた。いや、違うか。でも、そんな。
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(C) Disney.


最後になって、マーヴェルの戦隊ヒーローものコミックが原案になっている事に
スタン・リーの文字通りのカメオ出演などで気付いた。
そうでした、
マーヴェル・エンターテインメント社は今、ディズニー社の傘下にあるんでした。

企業買収によって、ディズニー・ワールドが
マーベル・シネマティック・ユニバースにワームホール経由で繋がったみたい。
だから、ディズニー定番の世界観を引き継いだ馴染み感はないのだけれど、
いままでになかった新しい世界を構築したような斬新さともと違う。
妙な安定感と安心感がある。

良い塩梅でした。


ベイマックスにはアベンジャーズに合流してほしいです。←うそ


*

同時上映の「Feast」が楽しみだったんだけれど、期待通りの可愛らしさ。
でも、人間と同じモノをワンコに食べさせたらダメだよ。そこだけ引っ掛かったけれど、
良いお話でありました。
by snowy_goodthings | 2015-01-10 23:40 | 鑑賞記

毛皮のヴィーナス / La Vénus à la fourrure

"マゾヒズム"の語源であるオーストリアの作家Leopold Ritter von Sacher Masochの小説
「毛皮を着たヴィーナス」を下敷きにしたブロードウェイ戯曲"VENUS IN FUR"の映画化。
…なのだが、
ロマン・ポランスキー監督の脳内世界のように思えてしょうがない。
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(C)R.P PRODUCTIONS - MONOLITH FILMS

マチュー・アマルリックの母君は、確かポランスキー監督と同郷(違ったらすみません)。
遠い親戚なのかもしれないってくらい、
マチューの容貌はポランスキー監督とよく似ている。
もうひとりの登場人物、"ワンダ"を演じるエマニュエル・セニエは
ポランスキー監督の現奥方。でもって、
マチューとエマニュエルは「潜水服は蝶の夢を見る」で夫婦役を演じている。
そーんなこんな、余計な知識がついているから、
観ていて、物語の展開と一緒に自分の印象も虚実ごっちゃに混乱していく。
いや、そんな情報がなくても混乱していくだろ。そして笑っちゃうでしょ。


男と女、
それぞれ己の身ひとつで本気で対峙したら、その闘いは官能的というよりも禁欲を強いる。
マッチョとコケットリーがバイオレンスする、その有り様はまるっきりファンタジー。

そして、
"Dieu l'a puni et livré aux mains d'une femme."
勝利するのは女なんだって。
by snowy_goodthings | 2014-12-20 14:30 | 鑑賞記

フランク / FRANK

何処かの映画館でチラシを見かけた時、異形なアタマが記憶に擦り込まれた。
どんな話でも良いから、とりあえず観たかったんだ。
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ウェールズからアイルランド、そしてアメリカへ。

フランクの姿だけを見ていると、
出会いと合宿と旅の果てに彼自身が在るべき世界に到る
ふんわりとハッピーエンディングな道のりの物語。
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(C) EP Frank Limited, Channel Four Television Corporation and the British Film Institute

あるいは、
才能を持ったオトコと才能を持てなかったオトコ達数人が、
出会いと合宿と旅の果てに彼ら自身がいるべき世界に到る
当たり柔らかいほろ苦く残酷な道のりの物語。

…どちらでもいいや。
観ていて、何故だかしみじみとしてしまう。


作品解説いわく、

  『FRANK‐フランク‐』は、
  イギリスの人気コメディアンだったクリス・シーヴィー扮するキャラクター、
  フランク・サイドボトムや、ダニエル・ジョンストン、キャプテン・ビーフハートなどの
  アウトサイダー・ミュージシャンをモデルに構想を練ったフィクションである。


…ということなのですが、3人の誰も私は存じ上げません。
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この機会にちょっと観てみようか。聴いてみようか。



by snowy_goodthings | 2014-10-17 23:00 | 鑑賞記

ジゴロ・イン・ニューヨーク / FADING GIGOLO

横浜みなとみらいでは、「ニコルBMW」が去り「ニトリBMW」がやって来た。
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自分にとっては、まったく面白くない。(^"^;

ちょっとだけ、擦った揉んだというか、赤裸裸というか、
極めて個人的には面白い展開があった後、
おかげさまで最近は川崎のあちこちに行く機会が増えた。
でかい買い物をした結果、日常の生活範囲や行動様式が変化したって事です。


…というわけで、
べーう゛ぇ整備のついで、久しぶりにチネチッタにやって来ました。
そうだ、奥横浜に引っ越してきたばかりの頃は、この界隈限定でよく映画を観に来ていたのに。
ファシリティは古びてきているが、スクリーンが近いスペックは快適。
またもっと来よう。


久しぶりに役者としての、ウディ・アレンを拝見。
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(C)Zuzu Licensing, LLC.



"世界最古の職業"に手を染めた大人の男2人が、
周囲に騒動と葛藤の暴風雨を撒き散らすコメディ。たぶん、コメディ。
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(C)Zuzu Licensing, LLC.



主人公達は女の願望に応えているのだが、物語は男に都合の良い展開をしていく。
くすくすと笑いながら、何処かに釈然としない思いが溜まっていく。

宗教上の戒律とか、洒落にならない事態も起こるのだが、あっさり乗り越えちゃう。
エロく賢いお姉様達も、美しい性善説でさらっと対応してくれちゃう。
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(C)Zuzu Licensing, LLC.


それでいいのか。(^_^;
by snowy_goodthings | 2014-08-02 19:30 | 鑑賞記

オーケストラ! / Le Concert

一曲の中でいろんな展開や変化が起こる、交響曲のような映画。
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(C) Les Productions du Tresor


ソ連共産党の専横に抵抗して音楽家の職を奪われた主席指揮者、
ブレジネフ政権の迫害でオーケストラを追放されたユダヤ人、
ユダヤ人と同じく放浪の民であるロマ族、
真っ赤に輝いた時代を忘れられない共産党員、
etc…と、
さまざまな過去を背負い、とっくに青春が終わったおじさん・おばさんが、
古巣:ボリショイ交響楽団になりすましてパリ公演に旅立つ。

それだけで痛快なんだけれど、
彼らが再びコンサートをする事には、
彼ら自身もほとんどが気付いていなかった深い意味がある。

すべてが判明するのは最後の最後、登場人物全員の想いが交錯する
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(ニ長調Op35?)。
原曲を短くしているらしいが、これがすごい。言葉以上の説得力。
喜劇で始まった筈なのに、気がつけば過ぎ去った時代の悲劇に泣かされた。

チャイコフスキーに取り憑かれた音楽家たちのお話なのだけれど、
スポ根みたいな音楽漬けな葛藤はほとんど無し。
むしろ、ちゃらんぽらん。
なのに、息をするのと同じくらい自然に音が奏でられる。
ちょい出来すぎだけれど、過去の鍛錬があるからってことなのか。
音楽とは、音を楽しむものであり、楽に音を出せるようになるものなのか。
音楽を奏で、人生を謳歌する姿は、理屈抜き&文句なしに幸せそう。


ロシア語・フランス語ちゃんぽんで、
笑うにも泣くにも、おフランス映画的な説明の省略・難解さ・深読みは無し。

ラデュ・ミヘイレアニュ監督は、ユダヤ系ルーマニア人で
チャウシェスク政権下に亡命、フランスで映画監督になったヒト。
だからか、
"体制"的なものの揶揄しっぷりがものすごいのだけれど、
それだけでなく、
オーケストラ団員とその家族達の描写も、
ステレオタイプな"ユダヤ人"イメージを情け容赦なく誇張した
風刺画っぽくて仰天した。
お金の話が好きなアジア人とか、ロシア大富豪も良いやられっぷり。
(^_^;


もう1回、大きな画面で観たいけれど、行けるかなー。



by snowy_goodthings | 2010-04-21 22:20 | 鑑賞記

月に囚われた男 / MOON

予告編を観て、
「2001年宇宙の旅」や「惑星ソラリス」みたいな
構造美むんむんな観念的SF映画かなっと思ったのだけれど、ちょっと違った。

確かに懐かしき端正なSF映画なんだけれど、もう少し優しい感じ。
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(C)Sony Pictures Classics

グローバリズム、資源利権、クローニング、会話するコンピュータ、etc..
出てくるものはどれもSFの古典的素材だけれど、
ちょっと捻った展開がある。

人間性の大義名分を振り回しすぎない、あっさりとした最後も意外。
でも、「任期3年」の意味を考えると、結末の"後"に起こるであろう事を
想像する余地をもらったって気もする。
心地よくも哀しい、不思議な後味。


ところでこの邦題、
絶対にダンカン・ジョーンズ監督のお父さんが出ていた
「地球に落ちてきた男」に符合させようとしてるだろっ。 (^"^; うぬー
でも、言い得て妙な訳だもんで、面白い巡り合わせだと思う。



by snowy_goodthings | 2010-04-12 23:20 | 鑑賞記

(500)日のサマー / (500) Days of Summer

運命の愛を信じるトムと、真実の愛なんて信じないサマー。
2人が出会ってから500日の日々のお話。

映像が凝ったお洒落な恋愛映画かと思ったら、ちょっと違った。
ケラケラ笑いながら観られる男女のドロドロ。
男は「女って、訳わからない」で、女は「男って、面倒くさい」なのか。
…あー、そういうのって、わかる気がする。

一見エキセントリックなのだが、きわめて真っ当に
「愛」なるものに対する男女の意識・態度の相違点が語られる。
それも、ひじょうに軽いノリで。
恋愛映画がこんなに面白いなんて。
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(C)TWENTIETH CENTURY FOX


映像が凝ったお洒落なのは期待通り。
ぜんぜん今時でない、レトロクラシックな服装とか、
年が離れたおませな妹との恋愛談義とか、
「ふぞろいの林檎たち」みたいに男友達3人でつるむ様子とか、
カフェのテーブルが「ドンキーコング」のゲーム台だとか、
The Smithsを聴いていたり、Joy DivisionのTシャツを着ていたりするとか、
カラオケでCrushを歌うとか、
ものすごい柄の壁紙のアパートとか、石造りのビルとか、
IKEAでのデートでする会話と壁にかかったポスターが呼応してるとか、
…etc.
出てくる構図や演出が、
いちいち古臭いというか、懐かしい。
思いっきり鷲掴みにされた気分。
恋愛映画がこんなに面白いなんて。

これをハマったという。

ところで、冒頭で
 The following is a work of fiction.
 Any resemblance to persons living or dead is purely coincidental.
 Especially you Jenny Beckman.
 Bitch.
…って出てたけれど、実話なの?ともあれ、すごくイカれた巻頭謝辞。
ジェニーに幸多かれ。



by snowy_goodthings | 2010-01-24 00:35 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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