わが教え子、ヒトラー  / MEIN FÜHRER ~ DIE WIRKLICH WAHRSTE WAHRHEIT ÜBER ADOLF HITLER

笑えない…
そう思ったのは、自分がユダヤ人でないからか。それとも、日本人だからか。
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原題は、「我が総統/指導者~アドルフ・ヒトラーについて、本当に本当の真実」。
"真実"というのは"史実"という意味ではなく、
ヒトラーの有名演説術の裏には指導者がいたっていう"事実"を下敷きに、
その指導者が収容所から連れ出されたユダヤ人演劇教授であったら…という"創作"だって。


でもって、これは喜劇です。展開や結末がどうであれ、コメディ。


千年帝国の独裁者 VS. ユダヤ人教授 の葛藤を笑っていいかと躊躇するが、
この映画を作ったのは、ユダヤ人の監督。

憎み悩むより、笑い飛ばしてやる事を選んだ監督の真意を推し量る事はできない。
喜劇=性善説の表現として安心して観る事もできない。

そこにあるのは、真っ黒い笑い。


自分はドイツ人ではないが、
かの独裁者を"人間"扱いする事について、タブーに近い思想と感情が動く事は理解できる。
この映画に出てくる総統は、幼少期の惨めなトラウマを告白しまくっていて、
同情を誘ってるんだろうかと、妙な気分にもなりかける。

だがしかし、そんな甘い展開なんてあり得ない。

主人公の真意がずーっと見えないで時間が過ぎていくのだけれど、
最後に取る行動は問答無用な彼なりに、人間として誇りをかけた結論。


これの何処がコメディなんだ?
ジャーマンシェパードのブロンディは可愛かったけれどさ。
書類のすったもんだや、周りの人物達の意味ありげな描写は引っ掛かったけれどさ。


… (^_^;



主演のウルリッヒ・ミューエ氏は、
確か、この作品だか、奥さんと共演したって作品「Nemesis」?だかが遺作。
亡くなってから、もう1年以上経っちゃったんですね。

反応の仕方がズレるんだけれど、最後の笑顔が、ひじょうに切ないのでした。



by snowy_goodthings | 2008-09-20 21:05 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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