ドラゴン×マッハ! / 殺破狼II SPL2: A Time for Consequences

座席指定は完売、立見客も出た満員の映画館を体験するのは、小学生の頃みた「南極物語」以来だろうか。

カンフーを使うアクション役者が出るから、そのヒトを「ドラゴン」と呼ぶ。
ムエタイを使うアクション役者が出るから、そのヒトを「マッハ!」と呼ぶ。
そんな半世紀近く前の邦題センスがいまだ健在ったぁ、驚いたぜ。
(^"^;

ぜんぜん違うじゃーん、じゃーん、じゃーん。


原題は「殺破狼II SPL2: A Time for Consequences」、英語圏では「KILL ZONE2」。
ドニー・イェンとサモ・ハン(キンポー)、新旧アクションスタアが暴れた
「殺破狼 SPL/狼よ静かに死ね」からの連作だそうですが、物語に繋がりは無し。
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(C) SUN ENTERTAINMENT CULTURE LIMITED.

広東語とタイ語と北京語と英語と絵文字とが飛び交って、
邂逅したばかりの時は意思疎通不可だったのが、終盤にはなんでも通じ合っている。
香港アクション映画らしい、ご都合が良く荒唐無稽で雑で唐突な展開のお話。それが良いんです。
主たる舞台がタイって、まるで「ドラゴン危機一髪/唐山大兄」…じゃなくって、
舞台設定の必然性は最初はあったように感じる。しかし、最後にはファンタジーに化けちゃう。

名前がある登場人物達は、絶体絶命な状況でもしぶとい。
そこを斬られたら死ぬだろうって目に遭っても、
その惨状だったら死んでいるだろうって目に遭っても、生きている。
一方で、名前がない登場人物達は、使い捨てに近い死にっぷり。そんでもって、
生きているほうも、死んでいるほうも、とても痛そう。見ているだけで、痛覚が刺激される。
うぅ…
ヴァイオレンスは、壮快でも爽快でもないんだ。ただ、痛いんだ。

トニー・ジャーさんは仏像や象を守るためだけでなく、娘を救うためにも闘う。←お約束な反応
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(C) SUN ENTERTAINMENT CULTURE LIMITED.

物語を動かしていたウー・ジンさんは、
最初の登場シーンでの下衆っぷりは何だったんだろう?ってくらいに最後は良い男っぷり。
そんなに強いんだったら、潜入捜査官なんかならなくても良いのでは。←ツッコミたくなる
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そんな猛々しい主役2人に対して、
文字通り一糸乱れぬ端正なスーツ姿で応じる適役:マックス・ザンが美しいこと、美しいこと。
  彼は「一代宗師」の馬三だったヒト?
突く、蹴る、跳ぶ…そんなに動いているのに、何故に髪は乱れず着崩れもしないのですか。
最後の見せ場、"この画はいつかどこかで観たことがある" という感慨で
キラキラな格闘を眺めていて、悪役のほうが負ける気がしない。そのくらい素敵。

それと、ルイス・クーに見えないルイス・クー。サカモト教授みたいなルイス・クー。
このヒトが猛烈に恐ろしい。


ムエタイとカンフーについて、理合が"似ている"とか"異なる"とか、
そういう事も時々は感じたのだけれど、これは娯楽目的の虚構世界だから。
(^_^;
面白かった。上映館数の少なさが勿体無い。配給会社さま、頑張って。



by snowy_goodthings | 2017-01-09 18:40 | 鑑賞記


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