A good fight should be like a small play, but played seriously.

Morrissey が、とうとう中華人民共和国香港特別行政区に来る。
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何故に日本人の自分が、日本公演の余韻が冷めぬ間に香港に来ていて
(とっくにスタンディングフロアは完売していて、シート席で構わんと
 チケットを衝動買いしたのはフィンランドにいた時だけど)、
此処で何が起こるのか見ようとしているのだ。
…なーんて、自分で自分について解説したって面白くなんざない。

えぇ、いつも通りの好奇心です。それだけ。いつだって、それしかない。


*


会場近くに並んでいた若人に "シート席なら並ばなくても大丈夫だよ" と言われて、
自分でもそうかなって思ったので、開場時刻近くになってから行列の最後尾についた。

主催者の告知いわく、持ち込み禁止物:
プロフェッショナルカメラ、セルフィー棒、iPadなどタブレット、ペンライト、飲食物、
危険物、etc. について、入場の際にバッグチェックがある筈だったのだけれど、
建物エントランスにもアリーナ入口にもセキュリティがわんさといたにも関わらず、
誰もバッグの中身を見やしない。それで良いのですか。

地元っ子の中には小さな一眼レフカメラを持ったカメラ女子が何人かいて、
開演前にセキュリティからバッグに仕舞うよう指導されていた。さすがに、それはね。
その様子を上から眺めていたら、視界に写真家 Sam Esty Rayner 氏が入ってきた。彼は
アジアツアーから帯同?いずれ記録映像を観られると期待して良いのかな。
大きなデジ一眼レフによる精緻な動画撮影は、全部彼ひとりによる作業。すごいっ。

聴衆のスマートフォンでのビデオ録画は見逃されていたけれど、
ライブ配信はかなり厳しく監視されていた様子。このあとショーの間、
黒服セキュリティがペンライト片手に走り回って、特定の人物を選んでは制止していたから。

まぁ、なんだかんだ、会場は総じて穏やかな雰囲気。
私の周りのヒト達は、酒をよく呑んでいて "この日を待っていたんだぁー" と、
ベロベロに盛り上がっていた。


お楽しみマーチャンダイズは、日本公演とは少し違う品揃え。
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ツアーTシャツ背面は、香港〜バンコク日程のプリント。
(開演前に買っておいて良かった…終演後はあらかた売り尽くされていたから)
日本公演ではなかった缶バッジが復活。マグネットは何故か赤緑2枚セットではなく、
緑のみ。
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ほぼ定刻通り…じゃなくて、ちょい過ぎた。
20時45分頃からプレショービデオが流れ始め、21時過ぎに先生登場。


"你好!"
広東語の nei-ho ではなく、 北京語の ni-hao 。
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"謝謝。Very, very, very happy to be here, Hong Kong."

今宵、モリッシーの口から発せられるご当地言語の挨拶は Cantoneseではなく、
Mandarin Chinese だった。それが意図されてのものかどうか判らない。
でも途中、"Morrissey, Morrissey" のコールに被せて "Mandarin, Mandarin" と言っていたり、
解って使っているようにも聞こえる。

そんな事を自分が勘ぐっちゃいけないし、
どうせ自分が考えても無理で無駄なんだけれど、ぼんやり思った。
今宵、此処は香港だけれど、モリッシーの眼差しや歌の矛先は中国本土までぶっすりと貫いている。
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Gangload の後、
World Peace Is None Of Your Business の前、
"Yes, that's song, that's song is called Gangload. And this song... ○▼※□☆▲◎★ Yes,
This song is called Tiananmen Square is none of your business." って、
言っていたから。

でも、モリッシー先生。
旧満州国育ちの日本人の母を持つ私にとって、天安門は遠く巡り巡って他人事ではありません。
まぁ、
これは私のトラウマであって、それこそ、モリッシーにはなんら関係の無い事である。はい。

なんだろう…傍観者として此処に居合わせるつもりだったのに。
此処でモリッシーが歌っている事に、私は猛烈に感動している。なんてこった。
数日前に日本でこのヒトを迎えた時とは、ちょっと異なる気持ちでグラグラと揺れている。
日本での日々は特別だった。そして、香港での今夜も特別である。
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サイン会になってファンが喜んだり、
香港文化博物館「武・藝・人生〜李小龍」の立派なカタログブックが贈呈されて
モリッシーが喜んだり、ステージに次々と花が投げ込まれたり…楽しそう。
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それらを眺めている私も、楽しい。ワクワクと愉しい。

足元で "Méxicooooo!" と叫び続けるお姉さん2人組はちょっと怖かったが、
東洋系の顔したヒト・西洋系の顔したヒト、万国旗に色んなヒトがごっちゃ混ぜになった空間で
繰り出してくる歌のすべてにおぉーっと唸ったり、
モリッシーのお喋りを逐語追いかけて反芻しては拍手喝采したり、
今日この瞬間を記憶力めいいっぱい使って受け止めようって、大騒ぎ。
…って、誰が?私です、自分がそうしていたんだよ。いつもの通りの事です。

そんな調子で、ハイライトと呼びたい瞬間が何度も。

ハンティング・フィッシングのマイムを交えた、
"When I look at animals... birds and fish, I see me."
もし、その言葉に何も感じなかったとしたら、あまりにも鈍感過ぎるだろ?

"... So, now... I would like to sing the old song a cappella.
And listen, everyone.
Because I have lovely singing voice.
And... Now, I sing my a cappella in human voice... the first time for me."
だったかな、うろ覚え。Meat Is Murder はそんな雄叫びで始まり。
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私の位置からはスクリーンに映された問いかけはすべて見えなかったが、わかります。
"現在有什麼是你的藉口? 肉是謀殺"

隣にいたヴィーガンの陽気な兄さんが、
モリッシーの "Do you care?" に熱烈にシンパシー表明するのに、オレも巻き込まれた。
やんや、やんや。叫んだり拍手喝采したり。舞い上がっていた。


All The Lazy Dykes も、
それに立て続けで始まった How Soon Is Now? もハイライトだった。
全部が「ハイ」か。そんな場の雰囲気。
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Everyday Is Like Sunday、What She Said と駆け抜けていって、
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ハイキックと "我愛你" の挨拶。そして、
"Ciao" の一言で途中ぶった斬りのPunk過ぎる Judy Is A Punk で終了した。
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感傷的なお別れとか、熱烈な感謝とか、
こちらが感情の混沌を高まらせようって隙もなく、
あちらに先の先を取られてしまった。あっけなく終わってしまいました。

コンサートさなかの大興奮の状態、「終わり」を意識する前に終了したから、
こちらは「ハイ」なまま。魂を引っこ抜かれたまま。


終わってしまってから暫しの後、
じわじわと、気付いた事、考える事、思う事は増していっている。
今しばらくの間は呆然としていたいんだけれど、
仕方が無い。自分で自分の屍を洗って、自分を作り直さないとなりません。
今は、そんな感じです。それって、どんな感じだっていうんだか…毎回の事だけれど。

Intro: Wayward Sisters / Klaus Nomi
1. Suedehead
2. You Have Killed Me
3. Alma Matters
4. Speedway
5. Ouija Board, Ouija Board
6. You're The One For Me, Fatty
7. Ganglord
8. World Peace Is None Of Your Business
9. Kiss Me A Lot
10. I'm Throwing My Arms Around Paris
11. The Bullfighter Dies
12. First Of The Gang To Die
13. Jack The Ripper
14. The World Is Full Of Crashing Bores
15. Meat Is Murder
16. All The Lazy Dykes
17. How Soon Is Now?
18. Everyday Is Like Sunday
19. What She Said
Enc. Judy Is A Punk
Outro: Death / Klaus Nomi


莫里西先生、
你可愛的歌聲音駆千里、我聽說您的有力的訊息。我看了真實的瞬間。
不管怎麼感謝都無法表達謝意。再見。

please kindly note*
© 2016 Yukiko Nakagawa / Original images are stored in Flickr
These photographs of "Morrissey" are just memories taken by NON-professional
photographer audience, me.
Most importantly, Mr. Morrissey’s right of portrait has precedence over my copyright.
(But I know I can NEVER photograph him perfectly)
Thank you & So sorry.

by snowy_goodthings | 2016-10-06 22:50 | 鑑賞記


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by Yukiko I. N.

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