大阪公演

大阪なんて、新幹線なら横浜からたった3駅。
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IMPホールの正式名称は「松下IMPホール」、大阪ビジネスパークのビル群の中。
まったく"音楽"の気配のない場所ですが、確かに此処が会場。
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本日は、18時開場。
18時30分にはプレショービデオが始まり、19時には Morrissey 登壇。
終演予定時刻は20時30分…って、新幹線のぞみ東京駅の最終に間に合ったかな。
土地勘が無いので、バスにしちゃったけれど。←明日は普通に出勤して仕事
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開場時刻に入場。

なんと、ステージ柵前が「AA列」で、guest list の方々の御席だそう。
プレショービデオの間、セキュリティの方と
「開演したら、私も含めて皆さんステージ前に寄ってくると思うんですが、良いですか?」
「いや、それは…」とかなんとか、ざっくばらんな会話をできてしまうのだから、
東京に比べたら会場の雰囲気はずいぶんと大雑把に柔らかい。
此処は東京と違う街、大阪だからか。
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ほぼ告知された時刻通り、19時に主役達のご登場。
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あの "Osaka Wilde!" のご発声で、うわぁーっと始まって、
"Konnichiwa. Arigato."
"Thank you for allow me to come back to sing in Osaka." …
挿まれる言葉は短め、びゅんびゅんと飛ばしていくように聴こえる。
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自分の耳には、ときどき何処からか "じーっ" と鳴るノイズがちょい気になる…ちょっとだけ。
此処ってコンサートホールというより、ライブハウスみたい。
ぎゅーっと、空気の密度が圧縮されたみたいな空間。

同じお歌を聴いても、
東京では緻密に端正な印象だったのに対し、大阪では微熱を伴って揺れ動くように感じた。
いかん、ぜんぜん対称的な表現になっていない。だって、ぜんぜん違ったから。
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Øuija Board, Øuija Board は、なんだろ…深い業を感じて、
Jack The Ripper には、深い情を感じた。自分の感覚のほうが揺れまくっている。

  Crash into these arms
  I want you
  You don't agree
  But you don't refuse
  I know...
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お喋りの時間は少なめに感じたけれど、
その代わり、
聴衆に向けて語られる時の言葉は極めて端的であったと思う。

ステージに上がって良い?みたいな声に "Why? Nothing happening here." とか、
タワーレコード行った?に "Of course!" とか、Help me! に "OK." とか…そんな
とりとめもなくて他愛もない言葉の応酬を萎やしつつ、"Do you ready? Are you sure?"と、
念押してから放たれた言葉は、
"My message is... Please don't kill ANYTHING." 東京でも言っていた。大阪でも言った。
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ニュースメディア、政治、権威・権力、etc. そんな具体的で直接的な "現在" に対する言及は、
日本では少し控えめ。
その代わり…という訳ではないでしょうが、抽象度が高い、とても難しい事を
とても簡単な言葉で言われてしまった。論点をずらして躱す隙間のない、簡潔な表現で。
それを、覚悟はあるって聞いてしまった。

First Of The Gang To Die を挿んで、少し長めなアレンジの Meat Is Murder。
奥行があまりない舞台だから、バックドロップに映し出された文言がすごく近い。
視界いっぱい、辛苦の色。
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ちょっと歌いづらそうな場面などもあったけれど、お仕舞いに向けて
どんどん進んでいってしまう。

Alma Matters の時、
ふっと後ろから気配を感じて振り返ったら、座席2~3列目の女の子が両手を広げて叫んでいる。
彼女が舞台に向けて飛ばす気迫が、私の頭をかすめていったっぽい。
  杖使いのお仲間さんだったら解るよね?
  我らが神道夢想流杖術にあるでしょう…あんな感じ。←通じる人が限られる
あの気は良いな…と思っていたら、
舞台の上に瞬間移動したように彼女が現れて、モリッシーに抱きついたから驚いた。
お見事。

この時の自分のヘンな知覚は、稽古や試合の時に五感が過剰に冴えるのに似ている。
そんな事が起きそうな詞が連なったお歌だから、不思議ではないです。
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最後に World Peace Is None Of Your Business 。
何度も聴いている筈なんだけれど、なにか忘れている…あぁ、そうだ。
2014年夏に世に出た "最新作" の楽曲を、やっと2016年秋に日本で聴くことができている。
待望の時だったんです。もうちょっと感激しようがあったかもしれない。
でも、まだ印象が変わるかもしれない。

アンコールは無言で一礼の後、 Judy Is A Punk。
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シャツを投げ、"アイシテル" の言葉を置いて去っていった。
終わってしまいました。
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緊張のあまりに具合が悪くなったり、高揚し過ぎて莫迦になったり…
そんな嵐のような1週間の、締め括りの夜でした。

1週間前は、"楽しみ"よりも
終わったら空虚な喪失感が待っているんじゃないかと"不安"のほうが先にきちゃって、
どうなっちゃうんだろうかと思っていた。

そして今、全然違う事になっている。なんなんだ、この多幸感。
やたらめったら元気になっている、自分。
モリッシーの歌を聴き、その姿を観て、
考えたり感じたり…自分が行動したり体験したりした、良い事も悪い事も
全部をひっくるめて、自分の血肉や精神に満ち満ちている。
体重は2kgほど減ったけれど。


Intro: Wayward Sisters / Klaus Nomi
1. Suedehead
2. How Soon Is Now?
3. I'm Throwing My Arms Around Paris
4. You're The One For Me, Fatty
5. What She Said
6. Ganglord
7. Speedway
8. Kiss Me A Lot
9. İstanbul
10. Øuija Board, Øuija Board
11. Jack The Ripper
12. The Bullfighter Dies
13. First Of The Gang To Die
14. Meat Is Murder
15. Everyday Is Like Sunday
16. The World Is Full Of Crashing Bores
17. Alma Matters
18. World Peace Is None Of Your Business
Enc. Judy Is A Punk
Outro: Death / Klaus Nomi


*


そうだ、
このままだと書く機会を逸するので、ここで書いておかねば。

開演前、視界に入ってくる全然知らないヒト達の中に、
頭の上にスポットライトがぽっと灯って見えるヒトが、何人か。
間合が近くなった時に、片っ端から頭に浮かんだ名前を呼んで、ご挨拶。
ファンジンの方とか、ファンサイトの方とか、ブログの方とか…
いきなり声をかけて失礼いたしました。応えてくださったり、終演後に改めてご挨拶頂いたり、
ありがとうございました。
bit で byte な情報で捉えていた姿が、肉体をともなった人物として目の前にいらした。
顔を知らないのに判った理由については、「なんとなく」としか答えようがないんです。
(^_^;

やっと会った方もいたし、
再会した方もいたし、3年ぶりの再会をしそこねた方もいたし、
シャツファイトで袖を分け合って握手した方とか。そんな方々と
「こんにちは」「どうぞよろしく」「またいつか」、そーんな挨拶を慌ただしく繰り広げて、
さくっとお別れ。
此処って、そういう場所。あっけなくて、暑苦しくって。
そして、忘れ難くって、愛おしくって。



by snowy_goodthings | 2016-10-02 20:30 | 鑑賞記


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by Yukiko I. N.

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