渡辺源四郎商店「青森に落ちてきた男」

渡辺源四郎商店さんのお芝居は、
時として自分の中で"そこを突かれると痛い"箇所をぶっ太くて長い針でぶっ刺してくるように感じる。
いつも全部がそうって訳ではなくて、たまに。
たまになんだけれど、たまにだからこそ、そんな風に感じてしまうと、自分がどう感じたかを表現するための言葉を奪われる。

今夜がそれ。'The Man Who Fell To Aomori'
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音楽スタアが主演したSF映画を想起させるタイトルだけれど、そういうお話ではない。

大義と不義、敵と味方、加害者と被害者、縁者と余所者、
登場人物達の「どちらがどっち」という定義はどんどん入れ替わっていくんだけれど、
「どっちもどっち」という誰にでも優しい結論には辿り着けない。ぜったい無理。

そーんな事を考えてしまうのは、
自分が昭和ヒト桁生まれの我が母から聞いている数少ない戦争体験が女学校での「薙刀訓練」だったもんだから、
中途半端に"他人事ではない"感覚がまとわりついてくるからか。
  「鬼畜米英」と教えられながら実際に対峙した相手はソ連軍だったそうなので、
  ママさんの戦争はこのお芝居で見える情景とは異なる展開をしていくのだが、それでも似ている。
いや、それだけじゃないかな。

まるで、舞台の真ん中に深い落とし穴ができて、その中にポンと放り込まれたみたい。
奈落の底のさらに奥まで。
もちろん、物理的にそんな事が起きるわけないんだけれど。落ちたら、這い上がるしかない。そんなんだから、
決して痛々しい思いばっかりではない感触が残っている。鑑賞後の印象はそんな風だった。


…うーぬ、
ふさわしい言葉を並べられないまま書いてみたが、自分が感じたことの半分も述べていない。
降参。




by snowy_goodthings | 2016-05-04 21:00 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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