夢の劇〜ドリーム・プレイ〜

横浜の素敵な劇場 KAAT神奈川芸術劇場で、
毎年1回はお芝居を観たいと思っているのだが、昨年はいちども行っていなかった。
もったいない!もったいない!もったいない!

久しぶりに来たお芝居は、
劇場主催公演、4月から正式にKAAT芸術監督になられた白井晃さん演出
「夢の劇〜ドリーム・プレイ〜」。
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原作は 19世紀末〜20世紀初頭の戯曲作家 Johan August Strindberg …
映画「令嬢ジュリー」の原作者と言われても、それ以上の事は知らないまま鑑賞。


ホール舞台上に舞台と客席とが配置されて、演者と観客との彼我の境界が緩くなった空間で
2時間、くるくると繰り広げられる人間達の人生という苦悶の数々。

神インドラ(ヒンドゥー教・バラモン教における天空の神)の娘が地上に降りてきて、天に帰っていくまで。
始まりから結末に至るまでの過程は、夢現の境界が緩く混沌としている。
真正面から突っ込んでいったら、深みに嵌ってイヤな気持ちしか残らなさそうなお話だけれど、
「美しい」という印象のほうが強い。

ほぼ出突っ張りでお芝居を引っ張る早見あかりさんが、
そのお名前のとおり、暗い舞台の中でぽっと明るく輝いている。
口にすると難しいであろう言葉が多い台詞を鮮やかに操り、舞台の上を泳ぐように駆ける姿がとても綺麗。
また彼女が舞台に立つ姿を見たいです。生身の存在感が素晴らしい女優さん。

役者と舞踊家、それぞれの分野を専門とするヒト達がお互いが得意とする領域の境界を緩くまたいで演じる姿が格好良い。
凝った舞台装置の中で、濃い"芸"が展開されていく光景に見惚れる。


でもね。
今こんな時代に、この演目。「美しい」って印象だけで終わらない、ざわっとした感触も残っている。



by snowy_goodthings | 2016-04-29 15:00 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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