世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅 / How to Make a Book With Steidl

この映画については、邦題のほうが主題をよく捉えていると思った。

企画・編集から印刷・製本まで、"本作り"の全工程を自社で手掛けるシュタイデル社の代表、
ゲルハルト・シュタイデル氏が世界中の写真家・アーティスト達のもとへ出かけ、
「世界一美しい本」を作り上げてゆく日々を追いかけたドキュメンタリー。

作り方、というよりも、「旅は好きじゃないが、会って打合せをするのが一番」と、
経営者みずからRIMOWAのスーツケースにサンプルを詰めて出張する、その働き方を語っている。
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期待していた視点ではなかったのだけれど、
芸術的と評せられる本を作るシュタイデル氏が、実際の制作現場では物凄くビジネスを
考えているのだとうかがわせる場面が何度も出てきたのは印象的。
ページをめくる時の音や香りに気を配り、希少価値を高めるためにあえて発行部数を抑える。
繊細に大胆。


いろんなクライアントが登場するけれど、その中でもいちばん時間を割いて登場するのは
ジョエル・スタンフェルド。
よく存じ上げませんでしたが、fine art colour photographyの大御所。
彼がiPhoneで撮ったという写真を何度も色校する様子に、
デジタルとかアナログとか吹っ飛ばして、「本」という紙メディアの存在を頼もしく感じる。



by snowy_goodthings | 2014-03-13 21:55 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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