ものすごくうるさくて、ありえないほど近い / EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE

「リトル・ダンサー」とか「めぐりあう時間たち」とか「愛を読むひと」とか、
登場人物達や風景の印象は美しいのだけれど、観終わった後に少し"痛い"感覚が残る
映画ばっか撮るスティーヴン・ダルドリー監督の映画4作め。
もしかしたら、
作品を通して与えたい感動だとか伝えたい主張だとか、そんな読書感想文的な狙いなんて
なにもなく、まっさらに撮っているだけなんじゃないだろうか。このヒトは。(^_^;

映画そのものはノンメッセージ。
思う事・感じる事・気付いた事・解った事は、観客のお気に召すまま。

生々しいお伽話のようなお話で、綺麗なんだけれど、「良い映画」と言うのはちょい躊躇。
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(C)WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC

9・11テロで父を亡くした少年が、その2年後、
父のクローゼットで見つけた1本の鍵を持ってニューヨークを冒険するお話。
気持ち悪くも知的な遊びに興じていた父との思い出だとか、
出会った人々との会話に垣間見えるそれぞれの暮しぶりだとか、
祖父母が体験したドレスデン大空襲とか、いろんな"生"と"死"が交錯。
どれもこれも、ありのまま。あるがまま。

絶望しながら死者を弔おうとする感情に、あれこれ解説とか解釈は無力。
とことん吐き出されたら、未来に向かっていくだけ。


本屋で原作小説をぱらぱらーっと立ち読みした時、
写真や絵が沢山レイアウトされているかと思えば、活字を間引いたり塗り潰したりする
"ヴィジュアル・ライティング"装丁には「知らない人に殺されなきゃいけない」
戦争やテロへの印象を逆撫でされたようで気持ち悪かった。
でも、映画で再現された小道具や映像・音声の印象は、とても良い感じに柔らかくなっている。
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(C)WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC



昨日観た「人生はビギナーズ」も、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も、
2001〜2003年頃、愛するパパを亡くした息子が再出発するお話なのだな。
希しくも、似た映画を立て続けに観てしまった。(^_^;
どっちが好みかって問われると、悩む。ぜんぜん違う映画だからさ。
あっちはワンコが良かった。こっちはサンドラ母さんが良かった。あれ、両者とも主人公に静かに
寄り添う役割だってのは一緒か。ありゃ
by snowy_goodthings | 2012-02-18 23:50 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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