「90ミニッツ」

すごかった。
西村雅彦×近藤芳正、タイトル通りの約90分間の2人芝居。
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 今回のテーマは「倫理」です。
 それぞれがそれぞれの立場で「正しい」選択をしなければならない。
 しかし、それは一方から見れば、「やってはいけないこと」であったりします。
 例えば、職業であったり、あるいは宗教や、家の家訓、国のイデオロギーの違いでも
 起こりうること。しかし、時と場合によっては、その「倫理」を越えたところで、
 行動しなければならないこともあるかもしれません。


…というキャッチフレーズを全然知らず、無構えで観たもんだから、
登場人物2人の対立軸を理解した時はかなりしんどかった。
下敷きとなっている"実際に起きた事件"は子供心にくっきり記憶があるし、
ぶつかり合う争点となる"教え"はけっこう身近なヒトが今まさに信仰しているし。

だからって
舞台設定そのままに観るのは止めて、比喩・暗喩に捉えてもやっぱりしんどい。
世界中の戦争とか、紛争地域とか、テロとか、革命とか、
震災復興とか、福島第一原発事故の警戒避難地域とか、日本の政局争いとか、
企業の不正とか、
etc.
頭の中では"病院"という舞台設定を飛び出して、地球上あちこちの「倫理」の闘争が
繰り広げられ始める。うぅ、マイケル・サンデル先生に整理してもらわないとパニックだ。
(^"^;

そんな、自力じゃどうしようもない事を、困った事に笑いながら考えさせられてしまう。
観ているのは喜劇じゃないのに。
そして、命がけの物語を笑いながら傍観しているって事が恐ろしく罪に感じられてくる。
観ているのは虚構だってのに。

舞台上の2人が汗だくになりながら台詞を吐けば吐くほど、
いち観客に過ぎない自分も、どろっと嫌な感情が剥き出しになり思考は停止しそうになる。
なんなんだ、落ち着かない。こんな禅だか苦行のような感覚は約1.5時間が限界。
(^"^;

なので、結末には救われる。いや、救われたいと縋りたくなるのかな。
舞台中央でさらさら流れるの水の装置がいろんなモノの象徴に感じられてきて、
お芝居が終わった後、舞台の傍まで行ってしばし眺めてしまう。美しい。


こんな観劇体験は初めて。うーむ。策にはまったような、考えすぎたような。

疲れた。


帰宅後、
wine bar cyamaでぱぴこちゃんと遊んでもらって気分転換。
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でも、今日感じた事・考えた事は財産です。うん。
命があって、生きているから、感じたり考えたりできるんだもん。
by snowy_goodthings | 2012-02-11 23:00 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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