NINE

"映像の魔術師"フェデリコ・フェリーニ監督による、現実・幻想が交錯する
自伝的映画「8 1/2」。
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それをブロードウェイ・ミュージカルにしたのが「NINE」。
で、こちらはミュジーカル舞台作品の映画化。

主人公、映画監督グイドがダニエル・デイ=ルイス。
久しぶりに普通な風采で嬉しい。
彼を取り巻く女性達は、美しくって賢くて、しかも歌が上手な
名だたる女優・歌手たち。
最初に全員が揃い踏みするシーケンスだけでも、鳥肌が立つ。☆
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(C)The Weinstein Company.


「8 1/2」は忘れられない(好き、というのとは違う)映画のひとつだけれど、
どこをどうやってミュージカルになるだろうか不思議だった。が、納得。

あらすじは「8 1/2」ほぼそのまま、
ミュジーカルなので、登場人物たちが自らの心情を歌って踊る分、
行動や発言がわかりやすくなっている。
グイドがトラウマだかアイデンティティだかにやたら悩んでいたり、
彼を愛する女性達がとても強いのは、
1963年→2009年の制作年の違いか、イタリア→アメリカの制作国の違いか。

いや、これは「8 1/2」ではないから。

フェリーニ作品の
「ローマ」とか「道」や「甘い生活」みたいな場面が出てくるし、
映画のために付け加えられた女性:VOGUE記者ステファニーが歌う
"Cinema Italiano"は、むちゃくちゃ単純明快なフェリーニ讃歌だ。
グイド(≒フェリーニ)が、
創作の原点である9歳の心に戻って「8 1/2」から半歩踏み出すまでを描いた、
心象風景のドラマのように見えてくる。
あるいは、
モノクロの「8 1/2」を極彩色に塗り絵した、フェリーニへのファンレター。


…なんて事を考えなくても、ようするに
格好良いけれど自分を見失っている男が、女達を愛し、映画を愛する
豪華絢爛なミュージカル。とても愉しかった。
Be Italian♪



by snowy_goodthings | 2010-04-09 23:00 | 鑑賞記


日常瑣末事記録


by Yukiko I. N.

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